湿疹・皮膚炎 | アトピー性皮膚炎、小児乾燥型湿疹、乳児湿疹、脂漏性皮膚炎、接触皮膚炎、 貨幣状湿疹、皮脂欠乏性皮膚炎、進行性指掌角皮症 |
---|---|
痒疹群 | じんま疹、痒疹、皮膚そう痒症 |
ざ瘡(にきび) | 尋常性ざ瘡、膿疱性ざ瘡 |
感染症 | 伝染性膿痂疹(とびひ)、蜂窩織炎、帯状疱疹、水痘(水ぼうそう)、ヘルペス、 疣贅(いぼ)、伝染性軟属腫(みずいぼ)、白癬(水虫、たむし)、癜風、皮膚カンジダ症 |
せつ・粉瘤 | 感染性粉瘤、おでき |
脱毛症 | 円形脱毛症、びまん性脱毛症、男性型脱毛症(AGA) |
色素異常症 | 尋常性白斑、肝斑(しみ) |
陥入爪 | まき爪、さし爪、化膿性爪囲炎 |
虫刺症 | 虫刺され、疥癬、頭じらみ症 |
炎症性角化症 | 掌蹠膿疱症、乾癬、扁平苔癬、ジベル薔薇色粃糠疹 |
中毒疹 | 薬疹(薬剤アレルギー)、ウィルス性発疹症、シイタケ皮膚炎、マンゴー皮膚炎 ほか、食物由来の中毒疹 |
創傷 | 熱傷、擦過傷、切創、凍傷、褥瘡、日焼け、皮膚潰瘍 |
皮膚腫瘍 | 腫瘍、脂漏性角化症、日光角化症、ボーエン病、色素性母斑(ほくろ) |
膠原病 | エリテマトーデス、強皮症、皮膚筋炎 |
水疱症 | 水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡 |
アレルギー | 金属アレルギー、化粧品アレルギー(パッチテスト)、食物アレルギー |
紅斑 | 多形滲出性紅斑、結節性紅斑 |
ナローバンドUVB
(NB-UVB)
ターゲット型エキシマ
ライト(VTRAC)
紫外線療法は、数十年来乾癬や白斑などの治療に用いられてきましたが、当院では、311nmの波長を選択的に有し,安全性が高く、小児や妊婦にも使用可能なナローバンドUVB(全身型)と、308±2nmの波長を有し局所照射できるターゲット型エキシマライト(VTRAC)を備えています。エキシマライトは輝度(光強度)がナローバンド型の180倍強く,照射時間が非常に短いのが特長で、従来の紫外線治療では効果が乏しかった症例でも高い有効性が得られることが報告されています。
全身型と輝度の強いターゲット型を症状に合わせて組み合わせて使うことで、より的確で高い効果の期待できる治療を受けていただくことができます。
乾癬・類乾癬・掌蹠膿疱症・アトピー性皮膚炎・尋常性白斑などに保険適用になっています。
また、円形脱毛症にも有効との症例が報告されています。
スーパーライザー
(近赤外線治療器)
光の中で最も生体深達性の高い波長帯(0.6μm~1.6μm)の近赤外線を高出力でスポット状に照射できる光線治療器です。深部まで確実に到達して患部の血行を改善し、症状を緩和します。
当院では帯状疱疹後の痛みの軽減、難治性の褥瘡や潰瘍、円形脱毛症、アトピー性皮膚炎などの治療に使用し、心地よい温熱感でご好評を頂き、着実な成果を挙げてきました。
この度最新型を導入し、より高出力な治療を短時間で受けていただけるようになりました。
麻しん、風しん、麻しん風しん混合、水痘、子宮頸がん、インフルエンザ
アトピー素因をお持ちの方の慢性的皮膚炎を総称してアトピー性皮膚炎と呼んでいます。
皮膚のバリアー機能が失われて外部の刺激を受けやすくなりがちなので皮膚炎の治療と同時に保湿とスキンケアが大切です。当院ではお一人お一人に合わせて外用剤を組み合わせ、スキンケアの方法とともに塗り方をご指導させていただいています(軟膏指導と呼んでいます)。
かゆみが強い場合は抗アレルギー剤の内服薬の処方、また補助療法として近赤外線療法、紫外線(ナローバンドUVB)療法も行っています。
突然、頭部毛髪に円形の脱毛が生じるものです。
原因は不明ですが、毛母細胞に対する自己免疫説が有力です。治療としては、通常はフロジン液やステロイド外用剤などの塗布で軽快しますが、難治なものには特殊療法を行っています。
当院ではPUVA療法(長波長紫外線照射)、局所免疫療法(SADBE療法)、液体窒素圧抵などを行っています。内服薬や漢方製剤を使用することもあります。治療により大半は治癒します。根気よく継続的に行う必要があります。
壮年性脱毛症とも呼ばれます。内服薬(一般名フィナステリド)の服用で効果が認められています。
にきびは病気というより一種の生理現象のような印象を持つ方が多いと思います。しかし、放っておくと深い跡が残ることがあり、早めの治療や予防が大切です。
思春期だけでなく成人以降に生じるアダルトにきびも増えています。
最近、にきびの治療に新しい外用剤がいろいろ出ています。抗菌剤、ビタミン剤あるいは漢方薬の内服やケミカルピーリングなどを併用することによりさらに効果を上げることができます。
ウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)によるものと、加齢により生じるものがあります。
液体窒素による冷凍凝固が一般的ですが、痛みを伴うことが欠点です。当院では通常の綿球圧迫法のほかスプレー法も使用し、治りにくい足底イボにも一定の効果を得ています。また最近、痛みを伴わない治療法としてモノクロロ酢酸という化学物質を塗布する方法も行っています。
いずれにせよ根気よく治療を続ける必要があります。加齢によるいぼには冷凍凝固のほか電気メスによる焼灼も行います。こちらは1回の治療で済みます。
じんましんは種々の原因で皮膚の中(真皮)にあるマスト細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されて、皮膚に腫れを起こしたものです。
通常は2~3時間で消失しますが、再発したり別の場所に生じたりします。かゆみが強く時には不眠を招き、生活の質を著しく低下させます。じんましんの原因には食事、薬物、ハウスダスト、ダニ、カビなどのほか、温度変化、日光、機械的刺激なども挙げられます。
また体内の病巣(虫歯、ちくのう、扁桃炎、中耳炎など)やウィルス感染、ストレスが関係しているものもあります。
ただ、残念ながら原因を明らかにすることはなかなか難しく、検査しても原因不明のこともあります。慢性じんましんの80%は原因不明と言われています。また、じんましんが24時間以上持続する場合は血管炎や膠原病などが疑われ、精査が必要なこともあります。
じんましんの治療は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤などの飲み薬が中心です。塗り薬は一時的にかゆみを抑えますが、じんましん自体の発生を止めることは出来ません。
白癬菌というかびの感染症です。白癬菌は皮膚の一番外側の角質層に存在するケラチンというタンパク質を分解して栄養とします。
そのため、同じくケラチンを含む髪や爪にも感染します。水虫は治りにくい皮膚病と思われていますが、現在は優れた抗真菌剤がありますので、的確に治療を受ければ完治します。
ただ、似た症状の別の病気に抗真菌剤を塗ると悪化する恐れがあります。
検査を受けてはっきり原因を知ったうえで治療をしてください。
水痘帯状疱疹ウィルスによる感染症ですが、このウイルスはみずぼうそう(水痘)の原因ウイルスです。子供のときにかかったみずぼうそうが治ったあともウイルスは体の神経に潜んでいて、疲れ、ストレス、けがなど体の抵抗力が落ちてきたときに神経に添って感染が進行し、その上の皮膚にみずぶくれをつくったものです。そのため、時に強い神経痛が起こります。
原因が水痘帯状疱疹ウイルスなので治療にはアシクロビルなどの抗ウイルス剤(外用、内服、点滴)をもちいます。水疱が治っても痛みが続く帯状疱疹後神経痛が高齢の方には問題です。早めの対応が大切です。
水痘・帯状疱疹ウィルスの初感染で、全身に赤い水疱のある発疹が出ます。
発熱、全身倦怠感など風邪のような症状があります。子どもが感染すると発熱しない場合もあり、水いぼなどのように見えることもあります。水疱がかさぶたになるまで登園・登校できません。
成人が感染すると重症化することがあり、注意が必要です。
正式な病名は伝染性膿痂疹といい、黄色ブドウ球菌や化膿連鎖球菌の皮膚感染です。
伝染力が強く、1箇所生じるとあちこちに感染しますので、「飛び火」と言われるようになったのでしょう。夏場のこどもに多く見られます。適切な抗生剤の使用で良くなりますので、早めの受診をおすすめします。
みずいぼは伝染性軟属腫ウィルスの皮膚感染で、幼児の四肢や体幹に小さな丸いぶつぶつが生じる病気です。
いずれは自然に治まりますが、いつ治るのかわからず、接触によりまわりに感染します。そのため幼稚園・保育園やスイミングスクールで水泳を禁じられることがあります。
治療は残念ながらある程度の痛みや不快感を伴います。数が少ないときはそのままピンセットで除去するのが一般的です。(麻酔テープをあらかじめ貼ることで痛みを抑えることもできます)。内服や外用剤を塗る方法もありますが、確実性に欠ける場合があります。
両者とも皮膚の角質が肥厚してできたもので、うおのめは下端が楔(くさび)型になっているため、神経を圧迫して痛みを伴います。
角質を削ると魚の目(◎)のように見えることからこの名前がついたと思われます。足の裏にできるとしばしばイボと間違えられます。
うおのめやたこは幅の狭い靴などによる圧迫、機械的刺激が原因ですので、小児には比較的少ないです。治療は硬い部分を削り、予防用のテープを貼ります。外科的に切り取る方法もありますが、しばしば再発しますのであまりお勧めできません。市販の貼り薬は使い方を誤ると悪化することがあるので注意が必要です。
陥入爪(かんにゅうそう)と呼ばれます。足の親指によく生じます。
原因は爪の切りすぎ(いわゆる深爪)や爪先に負担のかかる靴の使用などが多いようです。初期のうちはテープで固定して、爪が皮膚に食い込まないようにして爪が正常に伸びるのを待ちます。
専用の形状記憶合金クリップで固定する方法もあります。放置すると細菌に感染したり、肉芽が出たりしてひどく痛み、手術が必要なこともあります。
一括りにしみと呼ばれるものには、肝斑、日光性黒子、炎症後色素沈着、後天性真皮メラノサイトーシスなどが含まれていますが、いずれにしても紫外線の影響を受けており、予防するためには日焼けを防ぐことが何より重要です。
肝斑は色調が肝臓の色と似ているとことからついた名前で、肝臓病とは無関係です。
顔面(額、頬)にできる境界のはっきりした茶褐色斑のことでいわゆる’しみ’です。
治療には、ビタミンC(1日1000mg)、トラネキサム酸、システイン製剤の内服薬をある程度長期(3か月から6か月)処方します。
漢方薬もあります。また、レチノイン酸、5%ハイドロキノン、80%油溶性アスコルビン酸などの外用剤がありますが、健康保険の適用外になります。
その他、イオントフォレーシス(電気分解を利用して美白剤であるビタミンCをしみのところに導入する)がある程度有効です。
日光性黒子は500円玉くらいの茶褐色の発疹です。小さいものは液体窒素による冷凍凝固や切除をしますが、大きいものはQスイッチレーザーが奏効します。
炎症後色素沈着は皮膚にできた創傷や湿疹のあと黒ずみが残るものです。
ビタミン剤を内服して頂いたりしますが多くは自然に薄くなっていきます。